ニキビに悩まされている人の中には、皮膚科医などで処方される医薬品によってニキビを解消したいと考えている人も数多くいることでしょう。

今回は、ステロイド系薬のキンダベート軟膏でニキビが解消するのか、その効果と副作用を見ながら検証していきます。

キンダベート軟膏とは?

キンダベート軟膏は抗炎症作用のあるステロイド系の軟膏で、医師の処方のもとアトピー性皮膚炎や湿疹の腫れによる痛みやかゆみを和らげるために使用されています

そのために薬局などでは販売されておらず、皮膚科医などにより、症状の進行具合や年齢などを考慮しながら処方されるでしょう。

有効成分と薬の強さ

キンダベート軟膏の有効成分は、クロベタゾン酪酸エステルというステロイドの一種が含まれていています。

そのため、キンダベート軟膏の一般名をクロベタゾン酪酸エステルとも呼ばれる事があるでしょう。

ステロイド系の外用薬は、薬の強さを「最強の1群~最弱の5群」に分類されています。

キンダベート軟膏のステロイドは、マイルドな4群に分類されていますから、特に赤ちゃんの皮膚炎や敏感肌の方などの比較的軽い症状の場合に使用されます

抗炎症作用があるので赤ニキビに効果的

また、赤ニキビやニキビ跡にも効果があるとされて、ニキビへの抗炎症作用としても処方されるでしょう。

ニキビは炎症が酷いほどニキビ跡になりやすくなるため、炎症を抑えるキンダベート軟膏は間接的にニキビ跡がひどくならないようにしてくれるのです。

ちなみに、キンダベート軟膏は炎症を起こしていない白ニキビや黒ニキビでは使用しない方が良いです。

万が一、使用してしまえば角栓を増やしたり、免疫力を低下させたりしてニキビをひどくする可能性があるでしょう。

同じニキビでもタイプ別に見極めて使用しなければ、現状のニキビよりもひどくなってしまうという悪循環な事になってしまうのですね。

クロベタゾン酪酸エステルを使用することで、皮膚に浸透して免疫力を向上させ炎症を抑える効果があるため炎症性のニキビへの効果が期待されています

キンダベート軟膏はステロイドの4群でマイルドなため顔にも使用できますが、あくまで炎症を抑えるための効果で殺菌作用はありません。

ニキビを発生させてしまうアクネ菌には無縁な薬品だと言う事になるでしょう。

他にも、キンダベート軟膏の後発品、つまり、ジェネリック薬品とよばれるような軟膏は、“キングローン” “キンダロン” “クロベタポロン” “パルデス” などがあげられます。

これらは、ほぼキンダベート軟膏と同じ成分です。

処方される時に、価格が比較的安価なこれらを勧められる事もあるでしょう。

これらの軟膏も、ニキビへの根本治療ではなくあくまでも抗炎症作用の効果があるものとして理解しておきましょう。

ステロイド剤としての副作用に注意!

また、マイルドとはいえ一般的なステロイド外用薬と同様に、薬の副作用がありますから注意が必要です。

いくらキンダベート軟膏が弱めのステロイド薬と分類されているからと言って、自己流に使い続けていると副作用に悩まされてしまう事もあります。

ステロイド外用薬の副作用例としては、毛包炎,多毛、口囲皮膚炎、皮膚萎縮、毛細血管拡張症などかあげられるため、キンダベート軟膏についても副作用をしっかり認識して使用するべきでしょう。

キンダベート軟膏の効果と使用方法

キンダベート軟膏は、アトピー性皮膚炎や湿疹・ニキビなどの炎症による痛みや腫れの症状を抑える対処療法の抗炎症作用が主で、皮膚炎などの原因を治療することはできません

キンダベート軟膏のニキビへの使用

1日に1~2回、洗顔後にニキビ部分にだけ少量を塗っていきます。

赤ニキビには、5~10日で炎症が治まります。

ニキビ跡の腫れには、2~3週間で効果が表れて、キンダベート軟膏にはニキビに対しての即効性があると考えて良いでしょう。

しかし、ニキビの予防効果はありませんので、ニキビ以外の部分には使用しないようにした方が良いですね。

また、目の周りは特に塗らないように避けてください。

キンダベート軟膏はステロイド配合の塗り薬ですから、赤ニキビには2週間で効果がなければ使用中止して、効果がみられてもキンダベート軟膏の2か月以上の使用は避けましょう

皮膚がステロイドに対しての拒否反応を示して、皮膚のシワやシミなどの皮膚委縮を起こすこともあるからです。

キンダベート軟膏の副作用

ステロイド配合ですから、敏感肌の方には使用時にピリピリとした刺激感があり、しばらくして赤みやかゆみの炎症が発症する場合があります

※敏感肌については「敏感肌のニキビ対策はどんな方法がイイ?敏感肌でもしっかりできるニキビ対策」でもくわしく説明しています。

このような症状が現れた場合は、すぐにキンダベート軟膏の使用を中止してください。

また、長期間の継続使用も禁物と認識しておきましょう。

特に、高齢者や妊婦、授乳中の方、体調不良の方は、キンダベート軟膏のステロイドに対して弱い可能性がありますから、必ず医師の指導の下で使用するように心がけてください。

こうしたステロイド系の薬品は、キンダベート軟膏に限らず、年齢、体質、患部の重症度などを総合的に考慮して処方されます。

必ず医師や薬剤師からは薬の説明が義務付けられています。

ですが、これらを守らずに長期にわたって量を守らずにつけ続けていたのでは、ニキビを治すどころかほかの副作用を引き起こす事になるでしょう。

唇や目元は避けよう

唇の周りや目元付近にニキビができる場合もあります。

これらの部位にニキビができると、痒みがひどくなったり、炎症がひどくなったりするために、早く症状を沈めたくて皮膚科から処方された薬を使いたくなるものです。

唇周りのニキビにキンダベートのようなステロイドをつけた場合、食事の時などに誤って口の中に入ってしまうリスクもあるでしょう。

また、目元はニキビのできにくい部位ではありますが、キンダベート軟膏を目元付近につけてしまうと瞬きなどで目の粘膜にステロイドが入り込んでしまうリスクもあります。

極力気をつけましょう。

ニキビケアも念頭に!

キンダベート軟膏は使用量をはじめ、使い方を厳守すれば、比較的安全にニキビにも効果的に働きかけてくれる薬品ですね。

ですがこうしたキンダベート軟膏のような薬品を使うと言う事は、赤みの帯びた炎症性のニキビができて痛かったり、痒かったりと既に様々な症状が発生してしまっている事が殆どでしょう。

こうした症状はニキビの絶頂期でもあり、手に余る状態です。

キンダベート軟膏を処方された人はまさに、“藁をも掴む思い”で、こうした薬品に頼ってしまいます。

ニキビの根本的改善はニキビケアにあり!

 ニキビの根本的な問題は何と言っても、「生活面や食事面、睡眠面などの基本的な生活習慣の乱れ」にあるといえます。

その他には「ニキビ肌にピッタリのスキンケアがなされていない」、もしくは「間違ったケアをしている」と言う事があげられるのです。

長年使用してきたスキンケアでもニキビが繰り返しできるようであれば、ケア見直しのタイミングと考えて良いでしょう。

ニキビと言うと、思春期にできやすい青春のシンボルと呼ばれるニキビが真っ先に思いつきますね。

ですが、成人を過ぎて乾燥肌がエスカレートする事で生じる大人ニキビも侮れません。

このようなニキビをできないような肌状態に近づける効果があるのはニキビケアだけです。

まとめ

キンダベート軟膏のような処方薬は、ケアをしてもニキビができてしまって赤ニキビまで進行してきまった時だけ、いざという時だけの薬品だと認識しておきましょう。

また心配な点としては、1度ニキビにキンダベート軟膏をつけて良くなったという人は、「またキンダベート軟膏をつければいいや」とニキビケアをおろそかにしてしまうということがあります。

キンダベート軟膏を使うことでこうしたニキビへの油断やケア不足を起こさないようにしたいものです。

薬に頼るよりも、日頃から丁寧なニキビケアを行うことでニキビができない肌作りをしていくことが大切です。