「ロコイド軟膏」はステロイド軟膏ですが、ステロイドの中では5段階のうち下から2番目の強さで、刺激が弱く安全性の高い薬ともいわれています。
皮膚の炎症による腫れや赤みを和らげてくれるため、皮膚炎・湿疹・かゆみ・傷跡や、赤ちゃんのアトピー性皮膚炎など、幅広い皮膚症状に使用されています。
また、最近は敏感肌とニキビ肌が混在したトラブル肌が多く見られるため、肌の弱い人にも安心して使用できるロコイド軟膏が処方されているのでしょう。
そのため、顔に対しても使用が許されており、体や背中のニキビにも使えます。
特に炎症度の高い背中ニキビには、ロコイド軟膏を処方してくれる事が多いのです。
ステロイド系の医薬品ですから、薬局では市販されておらず、医師の処方箋が必要となります。
もちろん、弱めとはいえステロイドですので、用法を厳守しなければ副作用を引き起こします。
ここでは、ロコイド軟膏の効果や使用時の注意点について見ていきましょう。
目次
ロコイド軟膏の効果とは
皮膚への刺激は弱いですが、非常に高い使用効果がみられて皮膚科ではよく処方される薬です。
ロコイド軟膏は、通常の赤ニキビに対しても効果が抜群で、特に敏感肌のかなり重症な頑固ニキビに対しても効果がみられて処方されていますね。
敏感肌とニキビは切っても切れない関係があります。
ニキビで悩んでいる人は敏感肌で、ニキビに対してなかなかスキンケアや薬が使えなくて悩んでいる場合が多いのです。
※ニキビと敏感肌については「敏感肌のニキビ対策はどんな方法がイイ?敏感肌でもしっかりできるニキビ対策」でも詳しく説明しています。
特に、ニキビには痒みが伴うケースも多く、思いあまってかきむしってしまえばニキビが潰れて炎症がひどくなり、跡になる場合もあるでしょう。
そんなときに、痒みを沈めてくれるコロイド軟膏ならばニキビ跡も防いでくれるということですね。
逆に、白ニキビや黒ニキビなどの炎症性のないニキビにつけると角栓を増やしてしまったりニキビが悪化したりする事があるため、ニキビのタイプに合わせた使用法が大切と言えるでしょう。
ニキビに使うときの注意点!
「ロコイド軟膏」には「ヒドロコルチゾン酪酸エステル」という「ニキビに効果的」なステロイドが含まれています。
そのため、抗炎症作用と収れん作用が働き、腫れニキビや赤ニキビまた、ニキビの跡の炎症を治す効果を発揮しています。
ステロイド系の軟膏で、全般的にいえることは、殺菌作用がないということでしょう。
そのために炎症を起こしていない白ニキビや黒ニキビには、効果が期待できません。
つまり、ニキビ予防としての効果はなく、ニキビが一番酷い状態になってからの効果に期待する薬品と言っても良いのです。
ロコイド軟膏でニキビそのものを治すのではなく、ニキビの腫れや赤みを少しでも和らげてくれる薬と考えておきましょう。
また、ロコイド軟膏のステロイドの強さが低めだからと油断して、たくさん重ね付けしたりもっと強いステロイド剤を希望したりするのは良くありません。
ステロイドをあまくみてしまうと、後から副作用に悩まされてしまいます。
ニキビに直接塗る薬ですから、飲み薬のような副作用はほとんど心配ありませんが、もし、かぶれたりして症状が悪化する場合は、使用をやめたほうがいいですね。
ニキビの症状を和らげるために、効き目の期間として1~2週間程度の使用なら問題ないでしょう。
「ニキビ跡」なら2~3週間で綺麗になる効果が見られます。
しかし、ステロイド軟膏ですから、数か月の使用はやめてください。
皮膚が委縮したり赤ら顔になったりと、ステロイド特有の副作用が出ることがあります。
皮膚萎縮の症状としては、シミやシワ、肌荒れや青白い顔などに悩まされることになります。
ロコイド軟膏は用法を守りましょう。
副作用を心配して途中で使用をやめたり用量を減らしたり、自己判断で使用すると効果が表れずにかえって長期の使用になってしまいます。
ステロイドは、長期間の使用を避けなければなりませんから医師の指示に従って使用することが大切です。
なるべくニキビの症状が治まったら、ステロイドを使うという発想は控えたいものです。
また、いくらコロイド軟膏のステロイド性が弱めだからと言っても、目の痛みや目のカスミ、まぶしさや頭痛などの症状が現れた場合は、ステロイドの副作用の初期症状の可能性も考えられますから、医師の診察をすぐに受けてください。
ステロイドはそれだけ使用法を厳守する必要があるのです。
顔に使用する場合は、1日に1~2回洗顔後にニキビ部分に少量を薄くのばして使用しましょう。
初めて使用する方は、ごく少量からスタートし様子を見ながらつけていく事が大切ですね。
最大2か月までですから注意して使用してください。
用法を守れば、ロコイド軟膏は比較的安全にステロイドを試すことができて、非常に効果的な薬ですから、安心して使用してニキビを治しましょう。
ですが、ニキビは最終的に、薬に頼れば良いという考え方は控えてください。
薬でニキビの症状が和らいでも、根本的な原因が改善されないままであれば、間違いなくこの先もニキビに悩まされる事になります。
ロコイド軟膏のデメリット
ロコイド軟膏は、クリームと比較するとツヤツヤしたつけ心地になります。
また、クリームよりも肌に浸透しにくく、膜が貼っているような感じになるでしょう。
ですから、顔のニキビにロコイド軟膏をつけるとそこだけ「いかにも薬をつけています」というふうになってしまうため、ファンデーションの馴染みも悪くなり、よれやすかったり崩れやすかったりしてしまいます。
軟膏系の薬を塗ってからの下地やファンデーションは、なかなか美しく仕上がりにくいため、ロコイド軟膏をつける時は、ファンデーションを薄めにつけておくなどするのがベストです。
ロコイド軟膏と同等の市販薬はある?
ロコイド軟膏は医師の処方でしか、得る事ができません。
ですが、なかなか病院に行く時間がない方も少なくないでしょう。
そんなときは、市販薬に目を向けてみると、ロコイド軟膏に含まれるヒドロコルチゾン酪酸エステルが配合された市販薬が見つかります。
ですが、ロコイド軟膏よりもヒドロコルチゾン酪酸エステルの配合率が少なかったり、使用感に違いがあったりするために、市販品を購入するときは、薬剤師や登録販売者の説明が必要ですね。
ロコイド軟膏はヘルペスには効果あり?
ロコイド軟膏は、ウイルスや菌などによる皮膚疾患に使用すれば、患部をひどくしてしまう事があります。
そのため、ロコイド軟膏の使用上の注意にも記載されています。
ですが、口周りにできるウイルス性の口唇ヘルペスなどは、いっけん、ニキビと間違えるケースもありますね。
ですから、ついついニキビだと勘違いして、以前、ニキビの時に処方されたロコイド軟膏をつけてしまうという間違った使用方法をしないようにしなければならないでしょう。
ロコイド軟膏よりも効果的なのはニキビケア!
ロコイド軟膏よりも効果的なニキビ対策、それは何と言ってもニキビのあらゆる原因に対応できるニキビケアですね。
ニキビケアならば、ロコイドが得意とする赤ニキビなどの炎症性ニキビに悪化する前段階でニキビ対策ができるため、ニキビ特有の痛みや痒みなどで不快さを感じる事がないのです。
またニキビケアならば、ニキビができてしまったとしても、ニキビ跡を残さないように美白成分がメラニン生成を抑制してくれる事も期待できるでしょう。
ニキビができてしまってからあたふたするのではなく、ニキビができにくくするように生活やケアを心がけていく必要が最善策ですね。
まとめ
ニキビに効果的と聞けばすぐさま使いたくなるロコイド軟膏。
ですが対象となるニキビは、初期の白ニキビや黒ニキビではなく炎症性の赤ニキビなのです。
ニキビは早い段階で処置すれば、酷くなるのを防げます。
ですが、ロコイド軟膏はそうした早い段階の処置ができません。
ニキビはできないようにするのが最善策ですね。
そのためには、ニキビケアに特化したニキビケアから進めてみましょう。
ニキビケアならば、赤ニキビのように炎症性の酷いニキビに悪化するのを予防してくれるためニキビ跡になるリスクも低いのです。