医薬品であるリンデロンは、一般的な薬局やドラッグストアなどでは購入する事ができません。
皮膚科などを受診して処方してもらうしか手に入れる方法がない薬ですが、このリンデロンはニキビに対する効果が非常に優れています。
ここでは皮膚科でニキビ治療をする際に処方されることが多い、リンデロンという薬について解説したいと思います。
目次
リンデロンはどのような薬?
リンデロンは、塩野義製薬が開発発売しているステロイド系の軟膏です。
皮膚のトラブルや炎症、痒み、そしてニキビを治療する薬です。
またステロイド系の薬となりますので、医師に処方してもらわなければ購入することはできません。
ステロイド薬と聞くと、強い効果の代償に副作用も大きいものと想像されますが、その安全性はいかがなものでしょうか。
リンデロンの効能
リンデロンは、以下の効能があげられます。
- 湿疹・皮膚炎
- 乾癬(かんせん)
- 虫さされ
- 円形脱毛症
リンデロンの強さや形状について
ステロイドには強さの段階があります。
顔などの薄い皮膚に強いものを使ってしまうと、肌に余計なダメージを与えてしまいます。
さらにリンデロンは、使う用途によって様々な形状があることも覚えておきましょう。
リンデロンの強さ
リンデロンは、主成分であるステロイドの強さによって、細かく分類されています。
抗生物質が配合されているリンデロンや、目や耳などの粘膜部に使用できるものもあるので、確認してみましょう。
リンデロンDP
ベタメタゾンジプロピオン酸エステルが主成分として配合され、子どもであれば腕や足などに処方されることが多いです。
また成人では体幹部にも処方されることが多く、軟膏、クリーム、ゲルなどに配合されています。
リンデロンV
ベタメタゾン吉草酸エステルが配合、大人の場合は全身に、子どもの場合は体幹中心に使用できます。
軟膏やクリーム、ローションなどに配合されますが、デリケートな子どもの皮膚では、顔や陰部などの薄い部位には使用できません。
リンデロンVG
細菌が原因で発症する皮膚疾患に適応されます。
抗生物質である、ゲンタマイシン硫酸塩などが配合されています。
リンデロンA
細菌感染を防ぐ目的で、目や耳などの粘膜部に対応されたものです。
抗生物質であるフラジオマイシン硫酸塩などが配合されています。
リンデロンの形状
リンデロンの形状は様々あり、患部に合わせた形状のタイプをセレクトすると、効率よくケアできます。
軟膏
病院で処方される場合、ほとんどが軟膏として処方されるでしょう。
チューブタイプのものを、指先に少量つけて伸ばすタイプが主流です。
クリーム
体などの広い範囲につけるときに処方されることが多いです。
クリームなので伸びが良く、背中ニキビやデコルテニキビなどに向いていますね。
但しつけ過ぎないように、使用量に注意する必要があるでしょう。
ローション・スプレー
頭皮などのベタつきを避けたい部位に利用するタイプとなります。
注意したい点は、スプレーの場合だと使用量が不明瞭になりがちなので、正常な肌部分に付けないようにすることです。
内服(錠剤、液剤、粉剤)
ベタメゾン酸配合の内服で、体の内側から改善を高める目的で使用されます。
ジェル
炎症性の高いものや、なんらかの菌(真菌)により発症してしまったニキビなどの疾患に使用されます。
リンデロンは、他にも坐薬、点鼻、点眼、点耳薬としても処方されることがあります。
また炎症度合いなどによっては、注射などで治療される場合もあるでしょう。
リンデロンの効果
リンデロンがニキビに対して高い効果を発揮できるのは、2つの成分が関係しています。
この2つの成分について、詳しく紹介します。
ベタメタゾン
ベタメタゾンはステロイドの成分です。
ステロイドには非常に高い抗炎症効果があり、肌の炎症であるニキビも速やかに抑え、早期に改善することができます。
ベタメタゾンのステロイドの強さはレベル3で、1から5まであるステロイドのレベルの中では、強力な位置づけになります。
ゲンタマイシン
ゲンタマイシンは抗生物質です。
抗生物質の役割は、菌の働きを抑制し殺菌するという効果があります。
ニキビの中でアクネ菌が増殖することを強力に抑制、周囲の雑菌やバイ菌なども徹底的に殺菌し、ニキビの炎症を起こさないようにします。
ニキビ薬として使用する際の注意点
リンデロンはステロイド系の軟膏となるため、使用する際には注意する点がいくつかあります。
非常に効果が高い反面、使用を控えなければならない人もいますので、注意しましょう。
副作用を理解する
リンデロンはステロイドを含むため、副作用が起こる場合があります。
ニキビにおいては絶対的な効果を発揮しますが、肌荒れやシワ、血管が浮き出るなどの副作用が起きることも。
また痒みや刺激を感じるケースもあるので、副作用のリスクは理解しておきましょう。
リンデロンの使用を控えるべき人
リンデロンは刺激の強い薬なので、高齢者、妊婦、子どもは使用できません。
他にも、緑内障、白内障などの目の疾患がある人や、胃潰瘍、高血圧、糖尿病、骨粗鬆症、肝炎などの持病がある人は控えるべきでしょう。
さらに、水疱瘡やはしかに感染したことのない人は、医師に相談してからの使用が望ましいです。
リンデロンに似た働きの市販薬がある
実は、リンデロンに似た働きをする市販薬も存在します。
リンデロンと全く同じ成分とはいきませんが、処方してもらう時間がない人や、近くに皮膚科がない人は、手軽に使用できますね。
似たものとして「ベトネベートN軟膏AS」などがあげられます。
但し、薬局に常駐している薬剤師や登録販売者から、副作用の説明をしっかり受けるようにしてください。
ニキビ治療薬として処方されないケースも
皮膚科医によっては、ニキビの治療薬としてリンデロンを処方しないケースもあります。
- リンデロンに含まれる抗生物質がアクネ菌に対して効果を示さないという考え方
- ステロイドが免疫力を落としてさらなるニキビを増やしてしまうという考え方
こういったことから処方しないこともあるので、理解しておきましょう。
正しく使用すればニキビに高い効果
リンデロンは使用には少々注意が必要ですが、ニキビに対しては絶対的な効果が期待できます。
正しい使い方を守り、副作用についての知識や理解を深めて、安全に使用すれば、ニキビを早期かつキレイに治すことができるでしょう。
ですがニキビケアの基本は、肌のお手入れを欠かさないことが一番です。
リンデロンはできてしまったニキビの治療することに留め、日々のニキビケアから見直すことが大切なのです。
まとめ
リンデロンは、間違いなくニキビには効果的な薬といえます。
それは炎症の酷いニキビにはリンデロンを処方する医師が多いことからも、効果の裏付けといえるでしょう。
しかしリンデロンを使用し続けることは、かえって肌に悪影響を与えてしまいます。
そのため、ニキビケアという目線からはスキンケアで肌のお手入れを行うことが、最善策となります。
またニキビ専用のスキンケアを使用することで、より高い効果を得ることができます。
ニキビケアに効果的なスキンケアランキングを紹介しますので、ピッタリのものを見つけてくださいね。